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カテゴリ:刑事訴訟法( 5 )

裁判員裁判 裁判員になる確率

今日から,最高裁が裁判員候補者への通知を発送するとのことです。
基本的に有権者全員が対象です。
1年間の裁判員候補者の名簿に登載されたという事前の通知です。
割合は,新聞によると,有権者350人に1人の割合だそうです。

裁判員裁判とは,刑事事件の重大事件について,被告人の裁判に国民が裁判員として参加する制度です。

1つの事件について,裁判官が3名,裁判員が6名の合計9名で裁判体を構成します。

やることは,①有罪無罪の判断(事実認定)と,②有罪の場合の刑の判断(量刑)です。
第1回公判から審理に立ち会い,評議を経て,判決宣告まで立ち会いします。

今回通知を受けたからといって,すぐに裁判員になるわけではなく,あくまで裁判員候補者にすぎません。
さらに,抽選や裁判官との面接等を経て,個別事件の裁判員に選ばれることになります。

最終的に個別事件の裁判員に選ばれる確率はというと,これも新聞によると
1番選ばれやすいのが,大阪で,2894人に1人だそうです。
1番選ばれにくいのが,秋田で,11862人に1人だそうです。
ちなみに,神奈川は,5262人に1人で,東京は,5133人に1人とのこと。

欠格事由というものがあり,たとえば,弁護士や弁護士事務所事務員等は裁判に密接に関わることから,欠格事由に該当し,裁判員にはなれません。
辞退というものもあり,やむにやまれぬ事情があるときや学生,老人等は,辞退ができます。

皆さんは,裁判員をやってみたいですか?
被告人及びその家族らからの仕返しを心配されるかもしれませんが,その辺は徹底していて,裁判員の氏名等は明らかにはされない建前となっていますので,ご安心ください。
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by ofuna-law-02 | 2008-11-30 17:36 | 刑事訴訟法

裁判員裁判

裁判員裁判の実施が迫ってきました。

平成21年5月までに,全国の地方裁判所で,裁判員裁判が実施されます。

制度の趣旨は,国民の刑事裁判(民事裁判ではない)に対する参加を求め,国民にわかりやすい司法・信頼される司法を目指すことにあります。

1つの事案につき,裁判官が3名,裁判員が6名の,合計9名で裁判体を構成します。

裁判員は何をするのかというと,他の裁判員及び裁判官とともに,
1 公判立会
2 評議・評決
 ① 有罪・無罪の判断(事実認定)
 ② 有罪の場合,どのような刑にするかの判断(量刑)
3 判決宣告の立会
をすることになります。

あくまで事件ごとの選任であり,かつ,少しでも裁判員の拘束時間を短縮するため,最大でも連日開廷で5日間程度と言われています。

日当が出ます。その金額はネットで検索すると正確に分かると思いますが,私の古い記憶では1日7000円程度との覚えです。

裁判員対象事件は,刑事裁判のうちでも,一定の重大事案に限ります。例えば,
1 殺人罪
2 強盗致傷罪
3 傷害致死罪
4 現住建造物等放火罪
5 身代金目的誘拐罪
などです。

裁判員の選任は,有権者の中からくじで抽選します。
最初に,裁判員候補者名簿というものが1年に1回作られて,それに登載されたという通知は350人に1人の確率で決まります。
その裁判員候補者名簿の中からくじで抽選して,個別事件の裁判員になります。

選ばれる確率はというと,1年間で裁判員裁判対象事件数を250件と想定した場合

  神奈川県民約700万人
     ↓くじ
  裁判員候補者名簿に登載(1事件50~100名) 12500~25000人
     ↓くじ
  裁判員候補者の決定(250件×6名) 1500人
     ↓呼出
  選任・決定 1500人/700万人→0.02% 4666人に1人の確率

となります。
これはあくまで試算でして,最近の新聞によると,神奈川県の場合,最終的に個別事件の裁判員になる確率は,5000人に1人くらいの割合だとのことです。

なお,裁判員候補に選ばれたとしても,やむを得ない理由で裁判員ができない方もいることと思います。
そのため,一定の場合は,「辞退」ができる場合もあり,例えば,
1 70歳以上の人
2 学生,生徒
3 やむを得ない事情(重い疾病,介護,葬式等)
などの場合は,辞退ができます。

欠格事由というのもあり,これは,議員や裁判所職員,弁護士,検察官など,一見して裁判の公平に反するとおもわれる地位・資格の人は,欠格になります。
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by ofuna-law-02 | 2008-11-30 17:18 | 刑事訴訟法

刑訴法332条

刑訴法332条は,刑事事件の簡易裁判所から地方裁判所への移送を定めています。

要件は,「地方裁判所において審判するのを相当と認めるとき」です。
事案が複雑な場合,法解釈が複雑な場合などが挙げられます。

先日,簡易裁判所に起訴された傷害事件について,捜査段階では自白していたものの,起訴後,私がよくよく聞いてみると,「自分は実はやってない」とのことだったので,公判で否認に転じた国選弁護事件があり,今後,証人尋問等の必要があることから,刑訴法332条の移送になったものがありました。

簡易裁判所の裁判官が,冒頭手続の終了後,いとも簡単に「本件は刑訴法332条により地方裁判所に移送します」と言って,法廷が終了になってしまったのがとても印象的でした。
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by ofuna-law-02 | 2008-11-27 22:58 | 刑事訴訟法

刑事訴訟法における被害者保護

被害者は刑事訴訟法においてどのように保護されているのでしょうか。

被害者は捜査段階では重要な証言者として取調べの対象となります。
被害者調書として証拠になります。

被告人が起訴されると,原則として,被害者調書が証拠調べされますが,例外的に,被害者が証人として証人尋問されることもあります。

裁判に出廷して証人尋問されることになると,プレッシャー等や追体験等の2次的な被害が想定されます。そのため,憲法と刑事訴訟法には,証人保護の規定があります。

(従来の制度)
1 公開停止措置(憲法82条2項)
  裁判所は,例えば,強姦の被害者が被害時の具体的状況を証言しなければならないときなどについて,「善良の風俗を害する虞」があるとして,公開停止措置をとることができます。

2 期日外証人尋問(刑訴法158条,281条)
  公判廷以外のところで,証人尋問をすることができます。
  しかし,被害者が公判期日に出頭可能であればこの措置はとれず,実効性がありません。

3 被告人の退廷(刑訴法304条の2)
  証人が被告人の面前においては圧迫を受け十分な供述ができないとき,認められます。

(平成12年改正による新たな証人尋問措置)
1 付添人(刑訴法157条の2)
  証人の不安や緊張を和らげるため,証人にとって信用できる付添人を証人の傍らに付き添わせることができます。

2 遮へい措置(刑訴法153条の3)
  証人が被告人の面前において証言すると,圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがある場合で,相当とみとめるときは,ついたてを置くなどの遮へい措置ができます。

3 ビデオリンク方式による証人尋問(刑訴法157条の4)
  証人に別室にいてもらい,ビデオ回線で法廷とつなぐ方法です。圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがある場合に認められます。

 以上のような制度により,証人が落ち着いてしっかりと証言できるように工夫がなされているのです。

さらに,近時,もっと被害者の保護の理念を押し進めて,被害者が,被告人に対し,独自に求刑の意見を述べることができる制度等を盛り込んだ改正法案がされています。
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by ofuna-law-02 | 2008-11-27 19:29 | 刑事訴訟法

起訴猶予と執行猶予

似たもの用語シリーズですが,起訴猶予と執行猶予の違いはご存知でしょうか。

まず,起訴猶予を説明します。捜査が始まり,事件が検察官に送致(送検)された後,検察官は,起訴するかどうかを判断します。このとき,事案や被害の小ささ,被害回復がなされていること,被疑者が反省していること,前科がないことなどを被疑者に有利な事情を考慮し,犯罪事実は認められるけれども,あえて起訴をするまでもないとして,起訴をしないという判断をする場合があります。それが起訴猶予です。

これに対し,執行猶予というのは,起訴された後,裁判(公判)になり,判決を下すに至ったときに,判決を下す裁判官が,被告人にとって有利な事情を考慮し,とりあえずは実刑にしない場合を言います。例えば,懲役1年執行猶予3年という形で判断がなされますが,この場合は,懲役1年については,3年間,その刑の執行を猶予し,この期間をまじめにすごぜば,懲役1年の処分はなかったことになるというものです。これが執行猶予です。
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by ofuna-law-02 | 2008-11-27 18:56 | 刑事訴訟法