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カテゴリ:民事訴訟法( 6 )

訴えの取り下げ

先日,調停の条件として別件訴訟の取下げをしました。
再訴するかもしれないので,再訴してもかまわない旨の条項を入れようとしたところ,判決が出た後でないと,再訴禁止効は生じないとのこと。
被告が応訴さえしていれば再訴禁止効が生じるかと誤解していました。
そのため,その条項は入れませんでした。
調停成立の席で,裁判官から教わりました。
やはり裁判官は法をよく知っています。
というより,私が疎すぎたかもしれません。

参照条文です。

民事訴訟法第262条(訴えの取下げの効果)
① 訴訟は、訴えの取下げがあった部分については、初めから係属していなかったものとみなす。
② 本案について終局判決があった後に訴えを取り下げた者は、同一の訴えを提起することができない。
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by ofuna-law-02 | 2008-11-30 17:05 | 民事訴訟法

既判力(きはんりょく)の客観的範囲

既判力(判決の後訴への拘束力)は,訴訟物(紛争の客体たる権利義務関係)に生じます。
これを既判力の客観的範囲と言います。

これの別の観点からの説明として,既判力は,判決主文に生じ,理由中の判断には生じないという説明がなされます。

誤解しやすいのは,例えば,債務不存在確認訴訟を起こして,請求棄却判決が出た場合,判決主文には「原告の請求を棄却する」としか書かれていないことから,何に既判力が生じたかがわからないという学生がいることです。

要は,訴訟物に生じるのだから,この場合は,判決の理由を読むことにより,債務の存否が訴訟物であると抽出して,その債務の存否に既判力が生じると考えるのが素直です。
この場合,判決の理由を使って訴訟物を明らかにしているだけで,判決の理由中に既判力を認めたわけではないことに注意が必要です。

例えば,同じ債務不存在確認訴訟で,請求棄却判決が出た場合に,その理由が相殺の抗弁が認められた場合で考えると区別がつきます。
この場合も判決主文には「原告の請求を棄却する」としか書かれませんが,先程述べたように訴訟物である債務の存否に既判力が生じ,これが既判力の客観的範囲となります。
相殺の抗弁が認められたことは,理由中の判断であり,既判力の客観的範囲の例外として,相殺の抗弁には既判力が生じるので,この場合は相殺の抗弁が認められたことに判決理由中の判断として既判力が生じます。

理由を使って訴訟物を抽出することは,言ってみれば当たり前になされるわけで,判決理由中の判断の既判力の問題とははっきり区別されます。
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by ofuna-law-02 | 2008-11-30 17:03 | 民事訴訟法

反対尋問の危うさ

証人尋問は,交互尋問という方法で行われます。
交互尋問とは,先に証人サイドの弁護士が主尋問を行い,主尋問がすべて終了した後,証人に敵対するサイドの弁護士が反対尋問を行うというように,尋問者が交互に変わる尋問の方法を言います。

証人は,反対尋問を想定してリハーサルが行われているため,反対尋問で弾劾(証言の信用性を揺るがすこと)するには,かなり難しいです。

たとえば,主尋問で「なぜ」と思った証言があっても,反対尋問で「なぜ」という風に根拠を聞くと,それなりの根拠を証言することになるため,証言が固まって,信用性が高まってしまうようなことがあります。
それを逆算すると,主尋問で,「なぜ」と思った証言があっても,反対尋問で「なぜ」と聞くのは,特別の事情がない限り,やめた方がいいという経験則が生じるのです。

昨日,2人の敵性証人(相手方サイドの証人)の反対尋問をしました。
こちらも,あらかじめ,色々考えて,証言の信用性を揺るがすような質問を用意しました。
それと,主尋問を聞いて,崩せそうなポイントがあったら,それも突くように考えました。
それでも,反対尋問して逆効果になる危うさを感じました。
その危うさを感じながら,なんとか頑張って,結果的には,ほぼ満足いく反対尋問ができたと思います。

検察時代は,被告人に対する質問は,常に反対尋問になるので,色々工夫しました。
弁護士になり,民事事件の反対尋問をするようになりましたが,検察時代とは違った難しさがあります。
経験を踏み,自分が工夫していくことと,他の弁護士,特に相手方弁護士の反対尋問をよく観察して,技を盗み,スキルをあげていくのが常道のように思います。
昨日の反対尋問もいい経験になりました。
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by ofuna-law-02 | 2008-11-28 10:35 | 民事訴訟法

反対尋問

証人や当事者(以下,「証人等」という。)の尋問は,交互尋問方式といって,主尋問→反対尋問→補充尋問という流れで行われます。

主尋問は,味方側の弁護士が一問一答で事実の経過等を証人等に質問していきます。
次に,反対尋問は,敵側の弁護士が主尋問を突き崩すべく証人等に質問していきます。
最後に,補充尋問は,裁判官が疑問に思ったところを証人等に質問します。

自分の側の証人等とは,事前に打ち合わせをして,主尋問で聞いていく質問をリハーサルしておくとともに,自分が相手方の弁護士だとして,反対尋問でどのような突き崩し方をしてくるかをもリハーサルしておきます。

尋問に先立ち,弁護士は,相手方の証人等がどんなタイプか,どんな証言をするかを想像し,これまで法廷に検出されている客観的証拠と,自己の経験則を手がかりに,どうやって反対尋問を成功させ,相手方の証人等の証言を突き崩すかを考えます。

反対尋問は,成功しないのが普通というのが,弁護士の認識です。
なぜなら,相手方の証人等も,当然リハーサルをして当方から突き崩されないようにあらかじめ準備しているからです。
でも,成功を目指して色々な試みをします。

まずは,自己矛盾供述はないか,思い込み供述はないか,客観的証拠と矛盾する供述はないか,経験則と矛盾する供述はないか,といった点を中心に反対尋問を構想しておきます。
あとは,現場で,相手側の主尋問を聞いていて,何かひっかかる(疑問に思う)点とか,おかしいことを言っていないかとか,臨機応変に対応して,反対尋問をします。

あとは,経験です。

仮に,自分側の証人等が,相手方の弁護士に突き崩されて反対尋問が成功した場合,その事件は負けるかもしれませんが,相手方の反対尋問のやり方から,私自身,多くのことを学ぶことがほとんどです。かなりの経験になります。普通は,リハーサルで想定していた以上のことを相手方弁護士がしてきますから,そんなやり方もあったか,と目から鱗が落ちることもしばしばです。もっとも,先ほども述べたとおり,反対尋問は成功しないのが普通なので,特に,相手方が成功した場合,かなりレアケースとなります。
また,自分の反対尋問で,色々やってみて駄目だった場合も経験になりますし,たまに成功することもありますので,これも自信になります。
現場対応で,その場ではできなくても,後から,ああすればどうだっただろうと思いつくこともあり,それは次の機会に試してみたりします。
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by ofuna-law-02 | 2008-11-27 22:53 | 民事訴訟法

訴訟費用の確定の申立て

判決の主文は,原告勝訴の場合,例えば
1 被告は,原告に対し,○○円を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
というように言い渡されます。

この場合,訴訟費用とは,印紙代や郵券代,当事者の日当等が含まれますが,具体的な金額が判決の主文では明示されず,実際のところ,「被告の負担とする」とされても,現実に被告に支払ってはもらわないのが,実務的です。

もし,勝訴したのだから,きっちり支払ってもらおうと思った場合は,訴訟費用の確定の申立てを行い,額を確定する必要があります(民訴法71条)。

この度,とある事件で,この申立てをすることになりました。
できることは分かっていても,これまで経験がありませんでした。
一度経験してみれば,論より証拠で,きっと今後役に立つはずと思います。
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by ofuna-law-02 | 2008-11-27 22:51 | 民事訴訟法

訴えの交換的変更

訴えの交換的変更とは,もともとの請求(旧請求)を別途新しい請求(新請求)に交換することを言います。
ここで言う請求とは,いわゆる訴訟物を意味し,要は私法上の権利を言います。

その法的性質については,旧請求の取下げ及び新請求の新たな訴え提起,と解するのが判例・通説です。

実務的には,「訴えの変更申立書」を裁判所に提出します。
そこには,「原告は,次のとおり,訴えを交換的に変更する。」と記載し,変更する請求についての,請求の趣旨と請求原因を書きます。

先日,訴えの交換的変更をした案件がありました。
実は弁護士4年目にして初めての経験でした。
法的性質が,訴えの取下げと新訴提起だからといって,「訴えの取下書」と新訴の「訴状」を提出するわけではありませんので,ロースクール生の方,誤解しないようにしてください。
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by ofuna-law-02 | 2008-11-27 22:48 | 民事訴訟法