無期懲役刑の実態

日弁連ニュースに無期懲役刑の実態についてコラムがありました。

無期懲役というのは,有期懲役が最高30年(刑法14条)ですので,それよりも重い懲役刑なのですが,他の国にみられる終身刑とはまた違います。
終身刑は一生刑務所にいるという刑ですが,日本にはありません。
無期懲役は,終身刑よりは軽い刑です。

一方,日本には,仮釈放という制度があります(刑法28条)。
懲役刑になっても,模範囚など特に改悛の情がある場合は,早期に刑務所から出所できる制度です。具体的には,有期刑の場合は刑の3分の1を目処に,無期刑の場合は10年以上を目処に,仮釈放されます。

だからといって,無期懲役になっても10年で仮釈放がされているかというと,実態はそうではなく,現実には無期懲役受刑者が10年で仮釈放されるのは皆無だそうです。
2007年のデータでは,無期懲役受刑者で仮釈放された人は3名。平均刑務所在所期間は30年だそうです。

日弁連の論調は,無期刑が事実上の終身刑に化していて,人権上問題なのではないかとのことでした。
しかし,事実上の終身刑というのは言い過ぎな気がします。現に仮釈放されている人もいるのですから。
むしろ,日本にはない終身刑を新設し,刑を多種選択できるようにしてゆくべきだとの意見もあり,死刑廃止論も絡んで今後の課題だと思います。
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by ofuna-law-02 | 2008-12-01 01:39 | 刑法
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