判例の押さえ方

司法試験の勉強として,どのように,どこまでの判例をおさえたらいいでしょうか?

私は(というより受験通説だと思います),判例百選の活用をお勧めします。

ただし,判例百選をおさえるとしても,科目により重要度が異なります。

憲法,民事訴訟法,刑事訴訟法は,特に判例が重要ですので,判例百選を潰しましょう。
全部は無理としても,いわゆるAランクの判例については,しっかりと潰してください。
民法,刑法,商法については,上記3つよりは,判例の重要度が下がります。
基本書に出てくる範囲でおさえればよく,判例百選は余裕があればで十分だと思います。

判例百選の潰し方ですが,市販の論点表か,合格者に聞いて,おさえるべきAランクの判例を厳選し,そこを中心にメリハリをつけて潰します。
事案と判旨が重要ですが,判旨をよりよく理解するために,解説をガイドにして判旨を読み解いていくと効率がよいと思います。
判旨の中でも,規範部分をキーワードとして抜き出し,暗記し,あてはめに使えることを目標とします。

なお,判例百選の解説については,解説者に当たり外れがあるので,注意が必要です。
著名ではなく,かつ,定評があるわけでもなく,かつ,実務家でなく学者で,かつ,通常の受験生では理解不能なことが書いてある場合は,理解しようとせず,解説は無視してよいです。
そのような場合は,参考文献に着目し,有名な学者が書いている別のものや興味がひかれたもの,古い版の判例百選の解説,重判に掲載されている場合はその解説などをガイドにし,判旨を読み解いてください。
あくまで解説は,判旨を読み解き,理解するためのガイドとして用いるべきであって,解説自体を暗記したりする必要はありません。
ただし,秀逸な解説も中にはあり,それがそのまま暗記に適する場合もまれにあります。
その辺は,自分なりに勘を働かせて取捨選択をしてください。

私の場合,勉強3年目で(それまでは判例に手を回す余裕はなく,予備校の講義の復習や過去問や論点を勉強するのが精一杯でした)初めて,まず民事訴訟法の判例百選(その当時,民訴は200選でした)を潰しました。
5~6人のメンバーで,1ヶ月間,週1でゼミをやり,範囲を決めて,1つの判例をA5のレポートにして,発表者が発表し,他のゼミ員が発表者に疑問点を質問するという形式で,潰していきました。

このゼミで判例の潰し方が身に付いたので,次に憲法と会社法(会社法については,手形法よりも判例が重要なのですが,改正との絡みがあるので,今の法律に必ずしもフィットしていないおそれがあるため,重要度のある科目から外しましたが,会社法の判例も勉強になります)の判例を潰しました。
そうするうち,合格したので,刑事訴訟法の判例百選を潰したのは合格後でした。
他の判例百選については,過去問や答練で出てきたときにスポットで読むことはありましたが,潰してはいません。
まずは,科目を体系的に理解し,論点を潰し,過去問を解くことのほうが,判例潰しに優先するのだと思います。

新司法試験になり,判例重視の傾向がありますが,基本的かつ体系的な科目の理解なしに,判例を勉強しても,力は付かないと思いますので,まずは基本的かつ体系的な科目の理解に力を注ぎ,まずはそれでいいのだと思います。
とりあえずはローの課題や授業,過去問などで出てきた範囲で,スポット的に判例百選をおさえていくという方針でよく,潰しにかかるのはしっかりとした基本ができてからで十分でしょう。
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by ofuna-law-02 | 2008-12-01 01:28 | その他の法律
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